代表メッセージ

【これからの目利氣358】

私たちは、"食を通して人の夢をかたちにする会社"です。
小ロット製造、食品コンサルティング、研修事業——。
どれも異なるように見えて、根っこは同じ。

「想いを、礼節をもって、正しい価値で届ける。」

時代が変わっても、変えてはいけないものがあります。
それは、
人を想うこころ。
誠実に伝えること。
感謝を忘れないこと。

そして、圧倒的な礼節をもって人と向き合うこと。

【商いは、人を幸せにする道】

うまくいかないことの方が多かった。
けれど、その度に「誰かの笑顔をつくる仕事を諦めたくない」と思い、商いの道を歩き続けてきました。

私の商いの原点は、学生時代の起業にあります。
学習塾、飲食店、出版、食品業界——。
若い頃は「面白いことをしたい、とにかく稼ぎたい」という想いと勢いだけで突き進みました。

しかし、何度も失敗を重ね、気づいたのです。
理想だけでは続かない現実。
「いいものを作っても、売れなければ誰の幸せにもならない」という真実。

そして私は、一つの答えにたどり着きました。

商いとは、"人を幸せにするために心を尽くす道"である。

この原点を教えてくれたのが、「商人道」でした。


【倒産、そして気づいた「商いの本質」】

二度目の起業で、私はチョウザメ料理を扱うレストランを経営しました。
メディアにも取り上げられ、注目されましたが、結果は倒産。

当時の私は「商品や企画」で勝負していました。
しかし経営の本質はそこではなく、
"人と想いの関係性" にこそ答えがあることを痛感したのです。

そんな時に出会ったのが、二宮尊徳の「報徳仕法」と、近江商人の「三方よし」の根幹である商人道を指南いただける師匠との出会いでした。
「人を利して己が利する」「売り手よし・買い手よし・世間よし」——
この教えに触れた瞬間、私は初めて"本物の商い"の意味を知りました。

【食の世界に導かれた理由】

倒産後、鯖の専門メーカーに入社しました。
営業部隊の立ち上げを任され、昼夜問わず全力を尽くしました。

販売手法だけでなく、商人道をテーマにした教育研修も行いました。
社員が「商いの本質」を理解し始めた頃、組織は変わり、業績も上がり、社内の空気が一気に明るくなったのです。

その時、確信しました。

「食こそ、身近な人を幸せにし、想いをつなぐ商いの原点に自分が一番お役に立てる」と。

食は、人の"まごころ"がそのまま形になる世界。
誰かのために作り、誰かの笑顔を想って届ける。
"命をいただく"という、最も深い人間の営みです。

そして、食を通して人が笑顔になる瞬間に、商人としての喜びがある。
この感覚が、私を再び起業へと導きました。

【三度目の挑戦 ― 目利氣358の誕生】

コロナ禍の中、家族とともに「目利氣358」を立ち上げました。
最初は、たった35パックから始められるレトルト製造の仕事でした。

"レトルトなんて個人では無理"——
そう思っていた飲食店のご主人が、自分の想いを込めた一品を商品化し、
やがてその商品が大手スーパーや伊丹空港のお土産売場に並びました。

一緒にその売場に立った時、ご主人の目に涙が浮かびました。

「自分の味が、こんな場所に並ぶなんて思わなかった」

その言葉を聞いた瞬間、胸の奥から込み上げるものがありました。

「ああ、私はこの商売を選んで、本当によかった」

それは、失敗を繰り返してきた私の人生の中で、
"報われた瞬間"でもありました。

【代表として】

私は、食の商人である前に、一人の人間として、
出会ったすべての人に「この人と関われてよかった」と思ってもらえるように生きたい。

そしてこれからも、想いをともにする皆さまと、礼節をもって未来を育てていきます。